心と羅針盤

子どもへの教育力、リーダー・カウンセラーとしての対人援助力を磨きたい方に向けて発信しています。16年間で700人以上の子どもと親に対する学習アドバイス・不登校や人間関係等のカウンセリングを実施。個別指導の学習塾マネージャーが書く「教育」と「コミュニケーション」のブログ。

上下関係は良くない?

最近よく、

 

「上下関係は良くない」

 

「上司と部下は対等だ」

 

という声を多く聞く。

 

耳障りはいい言葉だが、これでは組織はうまく機能しない。

 

もちろん、

 

上司だろうが部下だろうが、人間としての価値は同じだけど、

 

役割分担としての上下関係は必要だ。

 

アドラー心理学に、

 

「縦の関係」「横の関係」

 

という言葉がある。

 

縦の関係とは、どちらが上かを争っている状態

 

横の関係とは、どちらが上か双方が合意している(目標達成のために協力している)状態

 

のことだ。

 

これは世間一般で思われている縦の関係・横の関係とは違っている。

 

つまり、

 

目標達成のための役割分担としての上下関係は

 

「横の関係」

 

なのだ。

 

このことを理解せずに、

 

「上下関係は良くない」

 

「上司も部下も対等だ」

 

と言って役割分担を無くしてしまっては、たちまち無政府主義になってしまい組織は機能しなくなる。

 

人間は階層構造のある群れを作る動物のため、ボスが決まっている方が安心して働くことができるからだ。

 

どちらが上かが決まっていないということは、責任の所在がわからないくて責任のなすりつけになるし、

 

誰がボスかを決めることにエネルギーを使ってしまい、課題解決にエネルギーを使えなくなる。

 

上下関係が悪いのでなく、

 

上司と部下が対等なのが良いのではなく、

 

「目標達成に向けて合意している」

 

ことが重要なのだ。