上下関係は良くない?
最近よく、
「上下関係は良くない」
「上司と部下は対等だ」
という声を多く聞く。
耳障りはいい言葉だが、これでは組織はうまく機能しない。
もちろん、
上司だろうが部下だろうが、人間としての価値は同じだけど、
役割分担としての上下関係は必要だ。
アドラー心理学に、
「縦の関係」「横の関係」
という言葉がある。
縦の関係とは、どちらが上かを争っている状態
横の関係とは、どちらが上か双方が合意している(目標達成のために協力している)状態
のことだ。
これは世間一般で思われている縦の関係・横の関係とは違っている。
つまり、
目標達成のための役割分担としての上下関係は
「横の関係」
なのだ。
このことを理解せずに、
「上下関係は良くない」
「上司も部下も対等だ」
と言って役割分担を無くしてしまっては、たちまち無政府主義になってしまい組織は機能しなくなる。
人間は階層構造のある群れを作る動物のため、ボスが決まっている方が安心して働くことができるからだ。
どちらが上かが決まっていないということは、責任の所在がわからないくて責任のなすりつけになるし、
誰がボスかを決めることにエネルギーを使ってしまい、課題解決にエネルギーを使えなくなる。
上下関係が悪いのでなく、
上司と部下が対等なのが良いのではなく、
「目標達成に向けて合意している」
ことが重要なのだ。